2019年11月25日月曜日

和訳 Wanna Be Startin' Somethin'




ようこそ、新ブログへ!
マイケルの歌詞和訳は、今後こちらに投稿することにしました。旧ブログ( → )から投稿日を同じにして移転しているので、ブログに表示される年代順では古いものがありますが、この曲の和訳がこのブログの初めての記事になります。

最初は、マイケルの歌詞に手をつけるなんて恐れ多いと思っていた私も、恐る恐る未発表曲などから始めて、徐々に数を増やし、今はどんなに時間がかかっても、マイケルが作詞した曲の和訳はすべてやり遂げるつもりなので、

この歌詞の内容が知りたいと思ったときや、CD訳に疑問があるときなど、ぜひご覧になってみてくださいね。

(移動がまだのものは、こちらの「マイケル歌詞和訳」( → )にあります)

さて、これまで私が見た訳では、Startin' Somethin’したい人への批判が強く、ビリージーンの私生児に対しても冷たく突き放しているように感じたのですが、それだと最後の「高らかに顔を上げて・・」が唐突すぎると思いませんか?

オープニング曲として人気だったこの曲は、タブロイドジャンキーが「始めた」ことだけではなく、自分が何者かで悩む若者はもちろん、どんな年代になってもなにかを始めなきゃと思う大勢の人の気持ちも組みとっての言葉だったと思います。

主語がわかりにくく、入れ替わりも多いマイケルの歌詞の中では同じ単語に、いろんな日本語をあてる場合も多いんですが、

この曲の「my baby」は、すべて、僕の子供や、僕の彼女ではなく、「僕の心の中の子供」や「僕の無垢な心」にしました。

「my baby」を「she」、自分を「him」としている箇所もありますが、この曲は、マイケルにとって重要な「子供の心」が軸になっていると思うので、そこはあえて無視しました。「my baby」を彼女と訳すと、後から出てくるビリージーンと混同しちゃうことにもなりますし、「your baby」も「あなたの子供」や「ビリージーンの子供」ではなく、「あなたの心の中の子供」になってます。

Billie Jean is always talkin' ・・

ビリー・ジーンと名乗る女性が、実際にマイケルを訴えたりしたこともあって、愚かな告発者というイメージもありますが、マイケルの歌詞では、映画スターよりも美しく、法律のすべてが彼女に味方するほど周到な計画があり、

しかも、曲が発表された当時、ビリー・ジーンと言えば、誰もがビリー・ジーン・キングのことを思い出すことを承知で、あえて女子テニス界の偉人で、フェミニストのリーダー、世界で最も有名なキャスター、ラリー・キングの妻の名を使ったことからも、マイケルが想定しているのは、嘘をついて有名人の知り合いのふりをする、ただのおしゃべりとは思えないんですよね。

「なにかを始めたい」と思う気持ちから、「高らかに顔を上げて世界に向かって叫ぼう」に繋がっていくところは多くの人が共感できると思いますが、

たいていの大人はいつだって「その子(自分の中の子供)が叫ぼうとするのを止めよう」としていることに気づかないし、その子供の声がどれほど大事かということもわからない。それで、子供を守ろうとする行動も、ただ大人として立派に見られたいだけの偽善行動になってしまう・・。

「君はいい人ぶるのが大好き。悪だくみしているときほどね」

人種差別に打ち勝ち、TVショーの 女王として大成功したオプラ・ウィンフリーが、少女時代にあった性的虐待からのサヴァイバーという人格をプラスして、その頂点からさらに上を目指そうと「始めた」ことや、

ダンサーとして、マイケルを目標としてきたキャリアに陰りが見えてきたウェイド・ロブソンが、目指す星の大きさへのプレッシャーを、世間が喜ぶトラウマに変換して打開しようと「始めた」ことなんていうのは、まさにそんな感じ?

また、当時ベジタリアンだったマイケルが、この曲で、野菜を「メインになれないつまらない」ものとして表現しているのも彼らしいというか・・おそらく、ここでは、パフォーマーとして自分が理想とする体型を維持するためのダイエットという「大人」の考えではなく「子供の心」で「野菜」を見ているからなんでしょうね。

それにしても、2019年、さまざまな「偽善列車」に乗り遅れまいとする人々の野菜化はますます加速しているようです。

歌詞和訳を始めた最初のアルバムは『インヴィンシブル』だったので、マイケルの魂の変遷を逆順で追うことになったわけですが、彼の歌詞には、若書きといったものがなく、徐々に熟成されたのではなく、最初から驚くほど老成しているにも関わらず、同時に常に「子供の心」を重視していて、自分のことも、世間のことも、ずっと俯瞰的に見ていたことに、いつも驚かされます。音楽が古くならないだけじゃなく、言葉も常に新しいなんて!






Wanna Be Startin' Somethin'

Written & Composed by Michael Jackson

[Chorus]
I said you wanna be startin' somethin' 
You got to be startin' somethin' 
I said you wanna be startin' somethin' 
You got to be startin' somethin' 
It's too high to get over  
Too low to get under  
You're stuck in the middle 
And the pain is thunder 
It's too high to get over
Too low to get under 
You're stuck in the middle 
And the pain is thunder 

君は何か始めたいんだよね
何か始めないといけないって思ってる
君は何か事を起こしたいんだよね
何かやらないとって思ってる
それは超えるには高すぎて
くぐるには低すぎる
君はその真ん中でジタバタして
ものすごい苦痛を味わってる

[Verse 1]
I took my baby to the doctor
With a fever, but nothing he found 
By the time this hit the street 
They said she had a breakdown 
Someone's always tryin' to start my baby cryin' 
Talkin', squealin', lyin'
Sayin' you just wanna be startin' somethin'

僕の心の中にいる子供を医者に見せたら
熱はあるけど、どこも異常はなかった
でも、その噂が広まる頃には
心が病んだことになってた
いつだって誰かが仕掛けてきて
僕の無垢な心を傷つけようとする
しゃべって、わめいて、嘘をつき
君は何かを始めたかっただけって言うんだ

[Chorus]
I said you wanna be startin' somethin' 
You got to be startin' somethin' 
I said you wanna be startin' somethin' 
You got to be startin' somethin' 
It's too high to get over  
Too low to get under  
You're stuck in the middle 
And the pain is thunder 
It's too high to get over
Too low to get under 
You're stuck in the middle 
And the pain is thunder 

君は何か始めたいんだよね
何か始めないといけないって思ってる
君は何か事を起こしたいんだよね
何かやらないとダメだって思ってる
それは超えるには高すぎて
くぐるには低すぎる
君はその真ん中でジタバタして
ものすごい苦痛を味わってる
それは超えるには高すぎて
くぐるには低すぎる
君はその真ん中でジタバタして
ものすごい苦痛を味わってる

[Verse 2]
You love to pretend that you're good
When you're always up to no good
You really can't make him hate her
So your tongue became a razor
Someone's always tryin' 
To keep my baby cryin' 
Treacherous, cunnin', declinin' 
You got my baby cryin'

君はいい人ぶるのが大好き
悪だくみしているときほどね
でも、君が舌をカミソリみたいにしたって
僕を嫌われるようにするなんて出来ないよ
いつも誰かが仕掛けてきて
僕の無垢な心は傷つけられてる
人を裏切り、ずる賢く立ち回り、周りを腐らせて
君は僕の無垢な心を引き裂いてる

[Chorus]
I said you wanna be startin' somethin' 
You got to be startin' somethin' 
I said you wanna be startin' somethin' 
You got to be startin' somethin' 
It's too high to get over 
Too low to get under 
You're stuck in the middle 
And the pain is thunder 
It's too high to get over 
Too low to get under 
You're stuck in the middle 
And the pain is thunder

君は何か始めたいんだよね
何か始めないといけないって思ってる
君は何か事を起こしたいんだよね
何かやらないとダメだって思ってる
それは超えるには高すぎて
くぐるには低すぎる
君はその真ん中でジタバタして
ものすごい苦痛を味わってる
それは超えるには高すぎて
くぐるには低すぎる
君はその真ん中でジタバタして
ものすごい苦痛を味わってる

You're a vegetable, You're a vegetable
You're a vegetable, You're a vegetable
Still they hate you, You're a vegetable
You're just a buffet, You're a vegetable
They eat off of you, You're a vegetable

君はただの野菜(メインにはなれない)
君はただの野菜(たいていの子供はそれが嫌い)
野菜のままじゃ、みんなに嫌われたままだよ
君はまさにビュッフェ、食べ放題で(どこにでもある)
口に入れられるだけの野菜に過ぎない

[Verse 3]
Billie Jean is always talkin' 
When nobody else is talkin' 
Tellin' lies and rubbin' shoulders                    
So they called her mouth a motor 

ビリージーンはいつもしゃべってる
誰もしゃべっていないときでも
嘘をついて、擦り寄っていく
それで、みんなに「しゃべる機械」って呼ばれてる

Someone's always tryin' 
To start my baby cryin' 
Talkin', squealin', spyin' 
Sayin' you just wanna be startin' somethin' 

いつだって誰かが仕掛けてきて
僕の無垢な心を傷つけようとする
しゃべって、わめいて、嗅ぎ回って
君は何かを始めたかっただけって言うんだ

[Chorus]
I said you wanna be startin' somethin' 
You got to be startin' somethin' 
I said you wanna be startin' somethin' 
You got to be startin' somethin' 
It's too high to get over 
Too low to get under 
You're stuck in the middle 
And the pain is thunder 
It's too high to get over 
Too low to get under 
You're stuck in the middle 
And the pain is thunder

君は何か始めたいんだよね
何か始めないといけないって思ってる
君は何か事を起こしたいんだよね
何かやらないとダメだって思ってる
それは超えるには高すぎて
くぐるには低すぎる
君はその真ん中でジタバタして
ものすごい苦痛を味わってる
それは超えるには高すぎて
くぐるには低すぎる
君はその真ん中でジタバタして
ものすごい苦痛を味わってる

You're a vegetable, You're a vegetable
You're a vegetable, You're a vegetable
Still they hate you, You're a vegetable
You're just a buffet, You're a vegetable
They eat off of you, You're a vegetable

君はただの野菜(メインにはなれない)
君はただの野菜(たいていの子供はそれが嫌い)
野菜のままじゃ、みんなに嫌われたまま
君はまさにビュッフェ、食べ放題で(どこにでもある)
口に入れられるだけの野菜にしかなれない
                                   
[Ad-lib]
If you cant feed your baby 
Then don't have a baby 
And don't think maybe 
If you can't feed your baby 
You'll be always tryin' 
To stop that child from cryin' 
Hustlin', stealin', lyin' 
Now baby's slowly dyin' 

もし、君自身が無垢な心を育てないなら
それは失われてしまう
考えてもみなかっただろう
君自身が無垢な心を育てなかったなんて
君はいつだって止めようとする
その子が叫ぼうとするのをね
騙して、盗んで、嘘つきまくって
ほら、君の中の子供はゆっくりと死にかけてる

[Chorus]
I said you wanna be startin' somethin' 
You got to be startin' somethin' 
I said you wanna be startin' somethin' 
You got to be startin' somethin' 
It's too high to get over 
Too low to get under 
You're stuck in the middle 
And the pain is thunder 
It's too high to get over 
Too low to get under 
You're stuck in the middle 
And the pain is thunder

君は何か始めたいんだよね
何か始めないといけないって思ってる
君は何か事を起こしたいんだよね
何かやらないとダメだって思ってる
それは超えるには高すぎて
くぐるには低すぎる
君はその真ん中でジタバタして
ものすごい苦痛を味わってる
それは超えるには高すぎて
くぐるには低すぎる
君はその真ん中でジタバタして
ものすごい苦痛を味わってる

[Ad-lib]
Lift your head up high 
And scream out to the world 
I know I am someone 
And let the truth unfurl 
No one can hurt you now 
Because you know what's true 
Yes, I believe in me 
So you believe in you 
Help me sing it, ma ma se(*) 
Ma ma sa, ma ma coo sa
Ma ma se, ma ma sa,
Ma ma coo sa
(repeat to fade)

高らかに顔を上げて
世界に向かって叫ぶんだ
僕は自分が何者かを知っている
真実を明らかにする者だってことをね
誰も君を傷つけることはできない
なぜなら、君は真実を知っているから
そう、僕は自分を信じてる
だから君も自分を信じて
さあ一緒に歌おう
ママ・セ ママ・サ マ・マ・コ・サ(*)

(訳:yomodalite)

(*)ma ma se ma ma sa, ma ma coo sa は、カメルーン出身のマヌ・ディバンゴの「ファンキー・ソウル・マコッサ」(1992)から借用したもの。 カメルーンで話されてる30種類以上ある言語のひとつであるドアラ語から来ているらしく、 「踊る」を意味する kossa から、1950年代に西洋音楽の影響を受けて生まれたカメルーンの音楽形式は Makossa と呼ばれるようになった。

マヌ・ディバンゴは、そこから、mama-ko, mama-ssa, makomako-ssa というスキャットにし、マイケルは、ma ma se ma ma sa, ma ma coo sa と若干変えてはいるのですが、どちらも特に意味のある言葉ではないようなので、楽しく踊りながら一緒に歌いましょうw

2019年11月11日月曜日

和訳 Bad




この曲がリリースされたとき、まだファンでなかった私は、彼のロックアーティストをアイドル風に表現したようなファッションや、当時のすさまじい人気にも反発して、マイケルに対して偽物のロックスターという印象が拭えなかったんですが、その印象を最初に変えてくれたのが「Bad」のロングヴァージョンのショートフィルムでした。







この作品は、奨学金を受けて都会の進学高に通う黒人青年が地元に帰ったとき、旧友たちの誘いを断れず、強盗に加担することになり、それが原因で殺されてしまったという実話を元にしながら、結末を変えることで悲劇から未来志向のストーリーになっています。

名匠スコセッシによる名作映画のような質感や、最後のアカペラのコール&レスピンスなど、ショートVerでは感じなかった、マイケルの強い思いが伝わってきて、彼が仲間に「Who's Bad」と迫るシーンは、それまでの印象を大きく変えるものでした。

そして次に、印象が変わったのが、2012年に発売になった「Live At Wembley」

ここでの “Bad” は、日本公演などツアー前半のものとは違っていて、暗転したステージに「Who's BAD」という文字が何度も現れ、頭を下に向け、ひたいに指を添えて考えるポーズをとり、軽やかにステップをするマイケルは、仲間に自分の本当の強さを表現しようとした、あのショートフィルムで演じた男ではなく、その後も自詩に数多くの普遍的なテーマを織り込んでいく、思索者としてのマイケルでした。( → 参考記事)


(これとは少し違うけど・・)


バッドツアーは日本から始まったこともあって、日本でのマイケル人気はBAD期が最盛期なんですが、この曲も『BAD』というアルバムも当時のアメリカでは高い評価を得られませんでした。

「黒人初」というのは、彼を賞賛する文章の多くにみられますが、Bad期はそこに暗雲が立ち込めた時期で、それは映像をみれば明らかなように、マイケルが黒人ぽくなくなったから。(ソングライティング能力も、ボーカル力も最盛期といっていいこの時期、ローリングストーン誌は、マイケルをワーストボーカリストに選び、バッドもワーストアルバムに選んだ)

マイケルをアーティストという以上に、 “黒人” として賞賛していた人たちが、当時のマイケルを見てがっかりしたり、モヤモヤする気持ちは、例えば、私たちが、大坂なおみを「日本人」として誇らしく思ったり、彼女が今後、別の国籍を選択したときに多くの人の心に湧き上がる感情を想像してみると、少しは理解できると思うのですが、彼は黒人という枠から大きく逸脱した存在となったことで、変人として認知されることが多くなっていた。

マイケルは、世界中でカッコイイと賞賛されながら、大きな非難や嘲笑を受ける存在でもあり、まさに色んな意味で「Bad」だった。そして重要なのは、おそらくマイケル自身が、そういった人々の感情を認識した上で、この曲を作っていたということ。

仲間に、本当にカッコイイ(Bad)のは?と問うだけでなく、「本当のBad(悪)は誰なのか?」と。

Bad

written by Michael Jackson

Your butt is mine
‘Gonna tell you right
Just show your face
In broad daylight
I’m telling you
On how I feel
Gonna hurt your mind
Don’t shoot to kill
Come on

おまえの正体はつかんだから
正しいことを教えてやるよ
堂々と明るいところで
ケリをつけてやる
俺のやり方は
おまえを傷つけるかもしれないが
殺すわけじゃない
さあ

Come on
Lay it on me
All right …

さあ
かかって来いよ
上等だね・・

I’m giving you
On count of three
To show your stuff
Or let it be …
I’m telling you
Just watch your mouth
I know your game
What you’re about

3つ数える間
おまえにチャンスをやる
おまえの力を見せてみろよ
それともなすがままに・・か
言っておくけど
言葉には気をつけな
おまえの手口はわかってる
おまえがどんな奴かもね

Well they say the sky’s the limit
And to me that’s really true
But my friend you have seen nothin’
Just wait ’til I get through …

よく可能性は無限だって言うだろう
俺にとってはまさにそのとおり
でもおまえらそんなの見たことないだろ
俺がこれからやってやるから見てな・・

Because I’m bad, I’m bad Come on
(Bad bad – really, really bad)
You know I’m bad, I’m bad –
You know it
(Bad bad – really, really bad)
You know I’m bad, I’m bad –

俺はイケてる、超ヤバイやつだからね
(激ヤバ、超マジで)
俺はワル、俺はワルなんだよ
わかってるだろ
(めちゃくちゃ – 最高に超ヤバイやつ)
俺がイケてる、超ヤバイやつだって

Come on, you know.
(Bad bad – really, really bad)
And the whole world has to
Answer right now
Just to tell you once again,
Who’s bad …

さあ、君も知ってるよね
(激ヤバ、超マジで)
今、世界中でそうなんだから
でも、おまえのためにもう一度教えてやる
誰が本物なのか・・

The word is out
You’re doin’ wrong
Gonna lock you up
Before too long,
Your lyin’ eyes
Gonna tell you right
So listen up
Don’t make a fight,
Your talk is cheap
You’re not a man
You’re throwin’ stones
To hide your hands

噂を聞いたよ
おまえが悪いことしてるって
そのうち捕まるだろう
おまえの偽りに満ちた目は
おまえの正体を語ってる
よく聞けよ
抵抗したって無駄だよ
おまえの言ってることなんか安っぽいし
男らしくもない
おまえは石を投げていながら
自分の仕業じゃないふりをしてる

But they say the sky’s the limit
And to me that’s really true
And my friends you have seen nothin’
Just wait ’til I get through

可能性は無限だって言うけど
俺にとってはそのとおり
でもおまえらそんなの見たことないだろ
俺がこれからやってやるから見てな・・

Because I’m bad, I’m bad
Come on
(Bad bad – really, really bad)
You know I’m bad, I’m bad
You know it
(Bad bad – really, really bad)
You know I’m bad, I’m bad
You know it, you know
(Bad bad – really, really bad)
And the whole world has to
answer right now
Just to tell you once again,

なぜなら、俺はワルで、超ヤバイやつだから
かかって来いよ
(超・超マジで、激ヤバだぜ)
俺はワル、俺はワルなんだよ
そんなのわかってるだろ
(めちゃくちゃ – 最高に超ヤバイやつ)
今、世界中でそうなんだから
でも、おまえのためにもう一度教えてやる

We can change the world tomorrow
This could be a better place
If you don’t like what I’m sayin’
Then won’t slap my face

俺たちは明日にでも世界を変えられる
もっといい場所にできるんだ
俺の言うことが気に入らないなら
俺の顔をひっぱたけばいいさ

Because I’m bad, I’m bad
Come on
(Bad bad – really, really bad)
You know I’m bad, I’m bad
You know it
(Bad bad – really, really bad)
You know I’m bad, I’m bad
You know it, you know
(Bad bad – really, really bad)
And the whole world has to
answer right now
Just to tell you once again

俺はイケてる、超ヤバイやつだからね
かかって来いよ
(激ヤバ、超・超マジで)
俺はワル、俺はワルなんだよ
わかってるよね
(めちゃくちゃ – 最高に超ヤバイやつ)
今、世界中がそう答えるけど)
おまえのためにもう一回言うよ

You know I’m smooth
I’m bad – you know it
(Bad bad – really, really bad)
You know I’m bad – I’m bad, baby
(Bad bad – really, really bad)
You know, you know, you know it
come on
(Bad bad – really, really bad)
And the whole world has to
answer right now
(And the whole world has to
answer right now)
(Just to tell you once again)

俺は人当たりが良くて頭もいい
ワルだからさ、わかるだろ
(激ヤバ、超・超マジで)
そして今、全世界でもそうなんだ
(今、世界中がそう答える)
でも、おまえのためにもう一度教えてやる

You know I’m bad, I’m bad
You know it
(Bad bad – really, really bad)
You know I’m bad – you know
(Bad bad – really, really bad)
You know I’m bad – I’m bad
you know it, you know
(Bad bad – really, really bad)
And the whole world has to
answer right now
(And the whole world has to
answer right now)
Just to tell you once again
(Just to tell you once again)
Who’s bad?

君も知ってるように、俺は悪、悪なのさ
知ってるだろ
(悪、悪、超・超マジで悪)
そして今、全世界でそうなってる
(全世界で今それが答えなんだよね)
でも、おまえのためにもう一回だけ言うよ
(もう一回だけだよ)
本当の“悪”は誰?

(訳:yomodalite)

ORIGINAL 2019.5.12をリライト

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2019年11月10日日曜日

和訳 Heal The World




前回の “Will You Be There” と同じくマイケルが作詞作曲した曲。
2曲とも1992年に出版された詩集『Dancing the Dream』に収録されているので、そちらでも訳しているのですが、詩集とは少し違う点も踏まえて、再度和訳したいと思います。

* * *

マイケルのよく知られたメッセージソングの中で、We Are The Worldは、ライオネル・リッチーとの共作、そして、Man In The Mirrorは、サイーダ・ギャレットとグレン・バラードによるものですが(Keep The Faithも同じコンビ)、「Heal The World」は、マイケルがひとりで創った曲。

この穏やかな曲が、アルバム『デンジャラス』の中でもっとも “危険” な曲だったということは、前にも書きましたが(→)、発売当時のアメリカでは低評価だったこの曲は、現代のラップにありがちな、メディアが描きたがる現代や、彼らが好む社会性とは違って、いつの時代にも通じる普遍的な内容を、誰もが口ずさめる歌にしたもの。

冒頭の子供の声は、決められたセリフを読み上げたのではなく、100人以上の子供たちへのインタヴューから選ばれたもので、ミキシングを担当したマット・フォージャーが友人の娘にした、地球についての質問の返答が、そのまま使用されています。

フォージャーが、子供が口ごもったような箇所を編集しようとすると、マイケルは「だめだめ、そのまま残しておいて」と。

歌になった「Heal The World」は、「地球を良くしたい」という少女の思いに、マイケルが出した答えになっているようです。

広大な地球を良い場所にするには、自分の心の中の小さな場所を良くすること。

みんなにとって良い世界とは、愛に満ちた世界であり、正しい世界のために、命をかけて戦うのではなく、愛とはただ与えるものだという「勇気」を知れば、不安も恐怖もない、至福の世界に生きられるということ。






Heal The World

Written & Composed by Michael Jackson

(a child's voice) 
"Think about amm.. the generations and a... 
say you wanna make it a better place 
for the children and children's children.
So that they...they, they know What's a better world for them,
and think they can make it a better place."

(子供の声)
考えてみたんだけど、あのね…世代は引き継がれていくでしょ、で、みんな「この世界をもっと良い場所にしたい」って言うでしょう。「子供たちと、またその次の子供たちのために」って。だからみんな… みんなが、みんな自分たちにとって、何がもっと良い世界なのかがわかれば、みんなの力で世界をもっと良い場所にすることが考えられるんじゃない。

There’s a place
In your heart
And I know that it is love
And this place
Could be much brighter than tomorrow
And if you
Really try
You’ll find there’s no need to cry
In this place
You’ll feel there’s no hurt or sorrow

君の心がある場所に
愛があることはわかってる
そして、未来はもっと輝くようになることも
君がその気になれば
泣くことなんが何もないんだって気づくよ
ここには、痛みも悲しみもないんだって

There are ways to get there
If you care enough for the living
Make a little space
Make a better place

もし、君が生きることについてよく考えたら
そこにたどりつくことができるよ
ほんの小さな場所でいいから
今より良い場所を作るんだ

Heal the world
Make it a better place
For you and for me
And the entire human race
There are people dying
If you care enough for the living
Make a better place
For you and for me

世界を癒そう
今より良い場所にしよう
君と僕と
すべての人々のために
この世界では、人は常に死んでいく
でも、君が生きることについてよく考えたら
もっと良い場所にできる
君にとっても、僕にとっても

If you want
To know why
There’s a love that cannot lie
Love is strong
It only cares of joyful giving
If we try
We shall see
In this bliss we cannot feel fear or dread
We stop existing and start living

どうしてか知りたいよね?
ここには、嘘のない愛があるからだよ
愛はすごく強いんだ
そして、それはただ与える喜びなんだよ
やってみれば
みんなわかるはず
この至上の喜びには、不安も恐怖もないってことが
僕らはただ生きているだけじゃなく、
ちゃんと生き始めるんだ

Then it feels that always
Love’s enough for us growing
So make a better world
Make a better world

そしたら、いつだって感じられるようになるよ
僕たちが成長するために十分な愛があるってことが
だから、もっと良い世界にしようよ
もっと良い世界に

Heal the world
Make it a better place
For you and for me
And the entire human race
There are people dying
If you care enough for the living
Make a better place
For you and for me

世界を癒そう
今より良い場所にしよう
君と僕と
すべての人々のために
もし、君が生きることを深く考えたなら
人は死んでいくものだとわかるよね
もっと良い場所にしよう
それは、君のためでも、僕のためでもあるんだから

And the dream we were conceived in
Will reveal a joyful face
And the world we once believed in
Will shine again in grace
Then why do we keep strangling life
Wound this earth
Crucify its soul?
Though it’s plain to see
This world is heavenly
Be God’s glow

そして僕らが抱いてきた夢が
喜びにあふれた形で現れるだろう
僕たちが信じてきた世界が
大いなる恵みの中でまた輝き出すだろう
それなのに、なぜ僕たちは息苦しい生活をして
この地球を傷つけ
その魂を責めるようなことをする?
この世界をみれば
天国のように素晴らしいことは明らかで
神のおかげで輝いているのに

We could fly
So high
Let our spirits never die
In my heart
I feel you are all my brothers
Create a world
With no fear
Together we’ll cry happy tears
See the nations
Turn their swords into plowshares

僕らはもっと高く
飛べるし
僕らの魂が死ぬことはなく
僕の心の中では
みんな僕の兄弟なんだ
恐れのない世界を創っていこう
僕らはともに喜びの涙を流し
国々が剣を鍬に持ち換えるのを見るんだ

We could really get there
If you cared enough for the living
Make a little space
To make a better place

僕たちは絶対にそこにたどりつける
君が生きることについてよく考えればね
小さくても
今より良い場所をつくるんだ

Heal the world
Make it a better place
For you and for me
And the entire human race
There are people dying
If you care enough for the living
Make a better place
For you and for me

世界を癒そう
今より良い場所にしよう
君と僕と
すべての人々のために
この世界では、人は常に死んでいく
でも、君が生きることについてよく考えれば
もっと良い場所になる
君にとっても、僕にとっても

Heal the world
Make it a better place
For you and for me
And the entire human race
There are people dying
If you care enough for the living
Make a better place
For you and for me

世界を癒そう
今より良い場所にしよう
君と僕と
すべての人々のために
この世界では、人は常に死んでいく
でも、君が生きることについてよく考えれば
もっと良い場所になる
君にとっても、僕にとっても

Heal the world
Make it a better place
For you and for me
And the entire human race
If you care enough for the living
Make a better place
For you and for me

世界を癒そう
今より良い場所にしよう
君と僕と
すべての人々のために
この世界では、人は常に死んでいく
でも、君が生きることについてよく考えれば
もっと良い場所になる
君にとっても、僕にとっても

There are people dying
If you care enough for the living
Make a better place
For you and for me

ここでは、人は皆死んでいく
でも、君がよく考えて生きていけば
今よりもっと良い場所にすることができる
君と僕のために

There are people dying
If you care enough for the living
Make a better place
For you and for me

人は皆死んでいく
でも、君がよく考えて生きていけば
もっと良い場所が創れる
君にとっても僕にとっても

You and for me
You and for me
You and for me
You and for me
You and for me
You and for me
You and for me
You and for me
You and for me
You and for me
You and for me

君と僕のために・・・

(訳:yomodalite)

ORIGINAL 2018/11/01をリライト

2019年7月10日水曜日

和訳 Ghosts




マイケルの曲は、ショートフィルムの映像と同時に記憶されるものが多いですが、中でも「Ghosts」は映像抜きでは考えられない作品ですよね。

この映像は、1993年の『アダムス・ファミリー2』のプロモーション用に創られたものが元になっているのですが、それがキャンセルになった後、さらにアイデアが盛り込まれて今の形になったようです。




現在、公開されている「Ghosts」の映像は、『ブラッド・オン・ザ・ダンス・フロア・ヒストリー・イン・ザ・ミックス』のCDとセットで発売されたSFを編集したもので、スティーブン・キングとの共同脚本による38分の物語の中では、「2 BAD」「Is It Scary」 「Ghosts」 の3曲が使用され、マイケルが中心になって踊る群舞のメインパートは「2 BAD」、「Ghosts」 は、マイケルの魂が体内に入り込んだ町長のダンスシーンで使用されています。

松明を持ち、町はずれの屋敷に住む芸術家を追い出そうとする人々の先頭に立つ町長は、マイケルが性的児童虐待の嫌疑をかけられたとき、捜査を率い、その後の裁判でも主任検事を務めたトム・スネドンを表していると言われていますが、そのマイケルとは真逆とも思えるキャラを演じているのもマイケル自身なんですよね。

リアルタイムで「Ghosts」のSFを見たときは、B級ホラー映画風味のスリラーより、最先端のCGによるゴシックテイストが魅力的で、その美しさには惚れ惚れしたものの、最後のオチのつけ方がイマイチ、という印象が拭えなかったのですが、今見ると、この親子の一見類型的でチープな演技が、マイケルにとっていかにリアルだったか、それが、20年以上経ってようやく実感できたというか、

スリラー以上の “ドンデン返し” がある、Ghosts(映像)のエンディングですが、『Leaving Neverland』公開後に見ると、また少し違って見えるかもしれません。私はますますマイケルの予見性に圧倒されました。

マイケルが自分で書いた歌詞は、主語が変化していくことが多いのですが、「Ghosts(曲)」は、長編の一部であり、3曲を使用した映像の中で、マイケルが一人何役も演じていることもあってか、めずらしく主語が一貫してますね。

ショートフィルム


Ghosts
Michael Jackson

[Verse 1]
There's a ghost down in the hall
There's a ghoul upon the bed
There's something in the walls
There's blood up on the stairs
And it's floating through the room
And there's nothing I can see
I know This place is doomed
Because now it's haunting me

階下には幽霊がいて
ベッドの上には餓鬼
壁の中にも何かが潜んでいる
階段の上を血が流れ
それが部屋にまで流れ込んでくる
僕には何も見えないけど
わかってるんだ
この場所が致命的だってこと
だって、それは僕に取り憑いて離れないから

[Bridge]
I don't understand it
Hey
I don't understand it!
Aaow

わからないよ
理解できないね、僕には

[Verse 2]
There's a tapping in the floor
There's a creak behind the door
There's a rocking in the chair
But nobody sitting there
There's a ghostly smell around
But nobody to be found
And a coffin in lay open
Where a restless soul is spoiling

床ををコツコツ歩く音
ドアの向こうで軋む音
椅子が揺れているけど
誰も座ってないし
怪しい臭いがするその場所には
誰もいないのに
棺の蓋が開いていて
安らかに眠ることができない魂が飛び回ってる

[Bridge]
Don't understand it
(Got a ghost, got a break in the walls)
Hey!
(Got a ghoul, got a break in the halls)
Don't understand it
(Got a ghost, got a break in the walls)
Hey!
(Got a ghoul, got a break in the halls)

理解できない
(壁の中から、幽霊が現れる)
ねえ!
(廊下の奥から、餓鬼がやってくる)
わからない
(壁の中から、幽霊が現れる)
ほら!
(廊下の奥から、餓鬼がやってくる)

[Chorus 1]
And who gave you the right to scare my family?
And who gave you the right to shame my baby, she needs me
And who gave you the right to shake my family tree?
You put a knife in my back, shot an arrow in me!
Tell me, are you the ghost of jealousy?
The ghost of jealousy

誰が僕の家族を脅えさせる権利を与えた?
何の権利があって僕の子供を侮辱する?
彼女には僕が必要なのに
何の権利があって僕の一族を動揺させる?
お前は僕の背後からナイフを突き立て、僕の体に矢を射った
嫉妬の化物ってお前みたいなやつのことか?
嫉妬という化物

[Verse 3]
There's a tapping in the floor
There's a creak behind the door
There's a rocking in the chair
But nobody sitting there
There's a ghostly smell around
But nobody to be found
And a coffin in-lay open
Where a restless soul is spoiling

床はガタガタ音がして
ドアの向こうでは軋む音
椅子が揺れているけど
誰も座ってないし
怪しい臭いがするその場所には
誰もいないのに
棺の蓋が開いていて
安らかに眠ることができない魂が飛び回ってる

[Bridge]
Don't understand it!
(Gotta ghost gotta break in the walls)
Yeah Yeah!
(Got a ghoul, got a break in the halls)
Don't understand it!
(Got a ghost, got a break in the walls)
You’re just a dog gone!
(Got a ghoul, got a break in the halls)
Aaow!

理解できない
(壁の中から、幽霊が現れる)
やあ、やあ!
(階下から、餓鬼がやってくる)
わけがわからない
(壁の中から、幽霊が現れる)
まさに忌まわしい奴ら!
(階下から、餓鬼がやってくる)

[Chorus 2]
And who gave you the right to scare my family?
And who gave you the right to scare my baby
She needs me
And who gave you the right to shake my family tree?
And who gave you the right to take intrusion
To see me?

誰が僕の家族を脅えさせる権利を与えた?
何の権利があって僕の子供を侮辱する?
彼女には僕が必要なのに
何の権利があって僕の一族を動揺させ
誰が僕に会うために勝手に入り込んでいいって言った?

[Chorus 1]
And who gave you the right to shake my family?
And who gave you the right to hurt my baby
She needs me
And who gave you the right to shake my family tree?
You put a knife in my back, shot an arrow in me!
Tell me, are you the ghost of jealousy?
A suckin' ghost of jealousy
Aaow!

誰が僕の家族を脅えさせる権利を与えた?
何の権利があって僕の子供を傷つける?
彼女は僕が必要なのに
何の権利があって僕の一族を動揺させる?
お前は僕の背後からナイフを突き立て、僕の体に矢を射った
お前が嫉妬の化物ってやつか?
嫉妬という化物

[Chorus 2]
And who gave you the right to shake my family?
And who gave you the right to shake my baby
She needs me
And who gave you the right to shake my family tree?
And who gave you the right to take intrusion
To see me?
And who gave you the right to hurt my family?
And who gave you the right hurt my baby, she needs me
And who gave you the right to scare my family tree?
You put a knife in my back, shot an arrow in me!
Tell me, are you the ghost of jealousy?
The ghost of jealousy
Aaow!

誰が僕の家族を脅えさせる権利を与えた?
何の権利があって僕の子供を傷つける?
彼女は僕が必要なのに
何の権利があって僕の一族を動揺させる?
誰が僕に会うために勝手に入り込んでいいって言った?
誰が僕の家族を脅えさせる権利を与えた?
何の権利があって僕の子供を傷つける?
彼女は僕が必要なのに
何の権利があって僕の一族を動揺させる?
お前は僕の背後からナイフを突き立て、僕の体に矢を射った
お前が嫉妬の化物ってやつか?
嫉妬という化物
ああー!

[Outro]
Doggone
But there's no doubt about it, piece of mind
Tell me, are you the ghost of jealousy?

忌々しい!
でも、もはや疑いの余地はない
おまえは嫉妬の化物なんだろう?

(訳:yomodalite)

ゾンビが壁を歩くシーンは、
フレッド・アステアの1951年の映画
『ロイヤル・ウェディング』から



マイケルのショートフィルムに影響を与えた映画